Web×IoT メイカーズチャレンジ 2019-20

ハンズオン講習会

2019 年 11 月 23 日 (土) - 24 日 (日) の両日、Web×IoT メイカーズチャレンジ 2019-20 in 横須賀のハンズオン講習会が横須賀テレコムリサーチパーク(YRP)と関東学院大学 横浜・金沢八景キャンパスにて開催された。本講習会は、電波の有効活用等、IoT の基礎となる知識を身に着けること、無線歴史展示室の視察、LPWA テストベッドの体験、Web 技術 (HTML、JavaScript等) を用いてハードウェア (センサー等) を制御する方法を学ぶことを目的とした。

天気はあいにくの雨であったが、近隣の大学生や高校生、企業の若手エンジニア等 27 名が参加し、会場は熱気に包まれた。横須賀運営委員会主査である、YRP 研究開発推進協会 事務局長 の 安井 哲也 氏の挨拶に続き、総務省 関東総合通信局 情報通信部 情報通信連携推進課 課長 望月 俊晴 氏の激励の言葉で講習会が始まった。

本講習会では、電気通信大学 先端ワイヤレスコミュニケーション研究センター 専任教員 准教授 安達 宏一 講師による IoT の基礎知識、IoT の技術・関連法制度、及び電波の有効利用等に関する講義が行われた。株式会社横須賀テレコムリサーチパークの協力の元で、LPWA テストベッドの視察と機器の体験学習会を実施、無線歴史展示室見学で技術顧問 無線歴史展示室 室長 太田 現一郎 氏による説明を通じて無線の歴史を学んだ。

CHIRIMEN for Raspberry Pi を開発環境として、IoT の基本となるセンサー等を制御するハンズオン講習を実施した。その後、神奈川工科大学 創造工学部 ホームエレクトロニクス開発学科 准教授 山崎 洋一 氏によるデザインワークショップが行われ、視覚効果による製品力の向上を学んだ。また、協力者の提供機材 Thunderboard React を用いた、無線通信 (Bluetooth 接続) によるセンサーデータの取得について体験講習が行われ、初めての IoT 開発でもセンサー稼働を容易に体験でき、IoT の可能性を感じられる講習会となった。

講習会後は事務局や運営委員、チューターの意見を踏まえたチーム分けがなされ、12 月 21 日 (土) - 22 日 (日) 開催のハッカソンに向けて、ここで初めて出会ったメンバー達で各チームによるアイデアソンが活発に行われ 4 週間後に行われるハッカソンに臨む。

ハッカソン

2019 年 12 月 21 日 (土)、及び 22 日 (日) の 2 日間にわたり、関東学院大学 横浜・金沢八景キャンパスにてハッカソンが開催された。横須賀市から説明を受けた地域情報に基づいて「横須賀の魅力を高める・広める」のテーマで各チームが物作りに挑戦する。

今回のハッカソンは、3 ~ 5 名からなる 6 チーム計 25 名が参加し、CHIRIMEN for Raspberry Pi、各種センサーやアクチュエーター、様々な工作物等を用いて作品の制作に臨んだ。各チームに 2 万円を上限に作品の制作や開発にかかわる経費を主催者が負担、皆が思い思いの制作に取り掛かった。

2 日目の午後に審査が行われた。審査委員は、電気通信大学 特任教授 中嶋 信生 氏、株式会社グローアップシステム 代表取締役 田中 豊隆 氏、モバイルコンピューティング推進コンソーシアム (MCPC) 技術最高責任者 岡崎 正一 氏の 3 名が務めた。

アイデア (無線の活用度含む)、完成度、チーム力の 3 点を基準に審査が行われ、誰でも手旗信号を体験することを実現した Signals (Team F) の作品「手旗信号入力デバイス」が最優秀賞を受賞した。

他の 5 チームの作品もテーマに基づき思い思いで製作が行われた。横須賀では審査の際に協力者達の意見も取り入れ、協力者それぞれの名を関した賞で全チームに賞が与えられた。

最後には、審査員の 電気通信大学 特任教授 中嶋 信生 氏より作品の総括と参加者へのねぎらいの言葉が伝えられ、YRP 研究開発推進協会 事務局長 の 安井 哲也 氏の言葉で、4 日間にわたり開催された「Web×IoT メイカーズチャレンジ 2019-20 in 横須賀」の全日程が終了した。懇親会では軽食や飲み物が用意され、参加者同士の交流を深めた。

参加チームおよび作品概要

Team A レペゼン横須賀

作品名:観光大使"スカりん"

観光地やグルメ店等のドアに開閉を検知するセンサーを置く。これによって得られる人の出入りの情報の収集を行い、収集したデータを分析し、モニターからアウトプットできる IoT マスコットの作成をする。スカりんについては、特定のランドマークに置き、グルメ店の混雑状況等の情報をとり扱い、集客率と観光客の幸福度の向上を図る。

Team B チーム B

作品名:半自動水やり機

花壇の土の湿気具合を感知し、湿気の状況に応じて水やり機が自動で花壇に水をあげる機械である。初めに、予め用意した容器に水を入れておく。花壇の土壌に土壌センサーが差し込まれており、検出する数値が一定の値を下回ったら、LINE BOT にメッセージが送られ選択したメッセージによって水を与える動作を行うか否か選択ができ、水やりをする選択を行うとモーターが作動し植物に水を与える。

Team C はつかそん C チーム

作品名:レコすか CM ストリーマー

横須賀の各店舗に横須賀の魅力を伝える各種 CM を流し店に来た人に CM を見てもらい、 CM 先の店舗へ誘導を促す。店舗にラズパイに繋がれたモニターを設置し、お客さんに GPS と液晶を搭載したラズパイを持ってもらい、移動距離を測りつつ、店側のラズパイと通信し CM の成績を決定する。

Team D ヨコスカマイル

作品名:ヨコスカマイル

レンタサイクルの自転車にラズパイ+センサーを装着、磁気センサーを使い自転車の走行距離を記録し、走行距離に応じて商店街等利用できるヨコスカマイルを付与される。自転車走行中に観光スポットに近づくと、LED と音で自転車の運転者に通知をし、スマホにも観光スポットの詳細な紹介が送信される。

Team E YWMP

作品名:設置型チェックポイントを用いたスタンプラリー

横須賀の魅力を高める・広めるというテーマを考えたとき、横須賀市全体にスポットをあて、特にグルメと他の町にはない観光の強みがあったことから、利用者が連続的に観光できるようにチェックポイントを用いたスタンプラリーを考えた。チェックポイント、サーバー、スマートフォンの 3 つで構成される。チェックポイントは、クライアントと UDP を用いて通信する。店頭に設置する QR コードを読み取り、チェックポイントにアクセスする。チェックポイントには温湿度気圧センサー、専用カメラを導入し、データベースに日付、曜日、気温、気圧、湿度、アクセス数を保管し、情報を活用できる設計にした。

Team F Signals

作品名:手旗信号入力デバイス 【最優秀賞受賞作品】

横須賀の観光客に、手旗信号の体験をしてもらうことで、手旗信号を身近なものだと感じてもらい、戦艦三笠や猿島などの軍関係施設に足を運んでもらえるようにする。旗を持つ部分に、無線通信できる機器 (今回は時間の都合により有線) が埋め込まれており、無線により Raspberry Pi に送信される。相手側から何の文字が送られたか分からなくても、手旗信号の動きから文字が判別され、自分側のモニターに表示される。

Web×IoT メイカーズチャレンジ 2019-20 in 横須賀 開催概要

日程/会場 ハンズオン講習会

ハッカソン
主催 総務省関東総合通信局
Web×IoT メイカーズチャレンジ 横須賀運営委員会
協力 防衛大学校、電気通信大学、関東学院大学、神奈川工科大学、株式会社ステップ、日本ノーベル株式会社、Silicon Labs、京浜急行電鉄株式会社、株式会社ジェイコム湘南、株式会社電波タイムス社、株式会社横須賀テレコムリサーチパーク、モバイルコンピューティング推進コンソーシアム、横須賀市、公益財団法人横須賀市産業振興財団、ヨコスカバレー構想実現委員会、国立研究開発法人情報通信研究機構
後援 スマート IoT 推進フォーラム、横須賀市 IoT 推進ラボ
運営事務局 YRP 研究開発推進協会株式会社ブール・ジャパン

報道発表

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