Web×IoT メイカーズチャレンジ 2019-20

ハンズオン講習会

総務省 信越総合通信局 坂中局長による主催者挨拶
信州大学 不破教授による IoT と電波の基礎知識講習

2019 年 9 月 28 日 (土) - 29 日 (日) の 2 日間の日程で、Web×IoT メイカーズチャレンジ 2019-20 in 信州のハンズオン講習会を、塩尻情報プラザおよび塩尻インキュベーションプラザ (ともに長野県塩尻市) にて開催した。

信州会場では、学生 (中学生以上)・社会人を対象に募集を行ったが、ハンズオン講習会は 26 名、ハッカソンでは欠席者が出たため最終的に 22 名の参加者数となった。高校生から社会人まで幅広い年齢層の参加者が集まり、学習に取り組んだ。

初日は、主催者の信越総合通信局 局長 坂中 靖志 氏からの激励を頂いて開会した。次に信州大学の不破 泰 教授による「IoT と電波の基礎知識」の講義が行われた。その後、一般社団法人 WebDINO Japan CTO の浅井 智也 氏によるハンズオン講習に移った。各参加者には 1 台ずつ開発環境 (Raspberry Pi 3 B+ と小型モニターやキーボード・マウス、SD カードやブレッドボード、LED ランプ、ジャンパー線やセンサー、抵抗器などがセットされたスターターキット) が配布され、ハンズオン講習の環境を構築した。チュータースタッフの手を借りながら、チュートリアルに従って LED の点滅やモーター制御をそれぞれの参加者が黙々と試し、1 日目の講習が終了した。

WebDINO Japan 浅井氏によるハンズオン講習会
ハンズオン講習の様子

2 日目の午前は、それぞれの参加者が自分のペースでチュートリアルを進め、光・距離・加速度センサーを単一/複数で使用したり、CHIRIMEN for Raspberry Pi 3 対応デバイスのドライバー・回路図・サンプルコードが掲載された Example 集に掲載されたその他のセンサーやモーターの動作を試す実習を行い、約 1 日半のハンズオン講習会の時間が終了した。お昼前にはハッカソンのチーム分けが発表され、午後からは、信州大学の不破 泰 教授と一般財団法人塩尻市振興公社の横澤 幸男 氏、長野県先端技術活用推進課の中村 政俊 氏による、地域課題についての説明が行われた。

その後、一般社団法人 WebDINO Japan の 伊作 太一氏がモデレーターを担当してのアイデアワークショップがスタート。信州の地域課題解決をベースに「信州を楽しくする IoT デバイスを作ろう!」をテーマに付箋や模造紙を使って、チームごとにアイデアの発散や整理・絞り込みに取り組んだ。ワークショップで生まれたアイデアの種を基に、各チームは、ハッカソンに向けた具体的な作品テーマ検討や作戦会議に移り、熱心な議論が交わされた。最後に、ハッカソンに向けた作品テーマ検討の進捗が各チームから発表され、講師やメンターからのフィードバックが行われて、ハンズオン講習会が閉会した。

ハッカソン

2019 年 11 月 2 日 (土) - 3 日 (日)、9 月に実施したハンズオン講習会の成果発表イベントとして、塩尻インキュベーションプラザにてハッカソンを開催した。6 チームに分かれた参加者達が約 4 週間の準備期間を経て再集結し、IoT デバイス制作に真剣に取り組んだ。

初日はソフトウェアやハードウェア制作の知識を持つエキスパート、メンターやチューターの助けのもと、各チームが熱心に制作する姿が目立った。2 日目は追い込み作業として、ハードウェアの仕上げや作品の動作確認などを行う姿が見られた。

審査では、各チーム 5 分間で作品のデモンストレーションと説明を行い、質疑応答を行った。審査員のみならず参加者も各チームの成果発表を熱心に聞き入っている様子が見受けられた。審査の結果、最優秀賞は、チーム D の「見て学べる日本アルプス雪解けウォーターサーバー」が受賞した。また、審査員から高く評価されたチーム B の「おば検知」、チーム E の「自動屋根雪落とし」の 2 作品がサプライズとして審査員特別賞を受賞した。表彰後の懇親会では、参加者や講師陣、運営メンバーや審査員が交流を深め、ハッカソン終了となった。

参加チームおよび作品概要

Team A 真田十一勇士

作品名:幸村様!! 城の警備を厳重にしましょう!!

上田城の領内に侵入してくる人間を検知する警備システム。明るいときはカメラ、暗いときは距離センサーで侵入者を検知し、LED や警報音で警告を発する。また、タッチセンサーと感圧板を設置することで、侵入者が床や壁、天井に触れた場合にも警告を発する。警報音は、侵入者を検知した場所だけでなく、城の内部でも発せられ、領内のどこにいても侵入者に気づくことが可能。

Team B 超令和ゴーストバスターズ

作品名:おば検知~あの日見たお化けの名前を僕達はまだ知らない~ 【特別賞受賞作品】

おばけを検知することで、おばけと人間の住み分けを可能にし、空き家の増加等を抑制する。「地磁気乱しおばけ」、「火の玉おばけ」、「ひんやりおばけ」、「ポルターガイストおばけ」の 4 種のおばけを、それぞれ磁気センサー、光センサー、温度センサー、人感センサーによって検知する。各種センサーがお化けを検知した際には、赤外線カメラによって暗闇のなかのおばけを撮影し記録する。

Team C ポイ捨て撲滅委員会

作品名:ごみ poi

ゴミ箱にゴミが捨てられたことを検知し、ポイントサービスを提供する IoT システム。ポイ捨てを抑制し、信州の美しい自然を保全することに貢献する。ゴミ箱の入口を赤外線センサーの距離測定システムでモニタリングし、その値の変化からゴミ捨てを判断する。ゴミを捨てる際にログインしたアカウントにポイントが加算され、保持される。このポイントは、一定量溜まれば任意に消費してサービスを受けることができる。

Team D おいしい日本アルプスの人工水

作品名:見て学べる日本アルプス雪解けウォーターサーバー 【最優秀賞受賞作品】

日本アルプスの雪解け水を飲むことができるウォーターサーバー。タンクには日本アルプスの雪解け水が注ぎこみ、スイッチを押せばタンクに溜まった雪解け水を飲むことができる。タンク内の水位をセンサーで検知し、上限に達した場合は、雪解け水をタンク外に排水する。また、積雪ゾーンのセンサーによってアルプスの積雪量をモニターし、クラウド上に蓄積。これによって日本アルプスの積雪の状況を見て学ぶことができる。

Team E e

作品名:自動屋根雪落とし 【特別賞受賞作品】

屋根に積もった雪を落とすデバイス。豪雪地帯にみられる急こう配な屋根を持つ家の特性を生かし、屋根の棟(一番上の部分)に積もっている雪を電熱線の熱により溶かすことで、雪が自重によって滑り落ちていく仕組み。ロードセル (荷重センサー) から値を取得し、一定以上雪が積もった場合、電熱線に電流が流れるような仕組みにし、自動化。また、Web 上で自分の好きなタイミングで電熱線に電流を流すこともできる。

Team F ISAK (アイザック)

作品名:JACK THE LIPPER

唇の潤いレベルを測定する IoT デバイス。JACK 君に口づけすると、唇の水分の伝導率を検知し、潤いレベル (M-Lev.) を 5 段階で評価する。登録された性別、年齢、地域を参考に、全国から集まった唇の潤いデータと比較し、適切な潤いレベルを判定することも可能 (BILDAS システム)。寒さが厳しく乾燥する信州の冬においても、JACK 君のアドバイスをもとに適切な唇の潤いを保つことが可能。

Web×IoT メイカーズチャレンジ 2019-20 in 信州 開催概要

日程/会場 ハンズオン講習会
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ハッカソン
主催 総務省信越総合通信局
Web×IoT メイカーズチャレンジ 信州運営委員会
協力 長野県、塩尻市、信州大学、長野工業高等専門学校、長野県工科短期大学校、信越情報通信懇談会、株式会社ケイエスワイ、CHIRIMEN Open Hardware
後援 スマート IoT 推進フォーラム
運営事務局 一般財団法人長野経済研究所

報道発表 (PDF) | 告知チラシ (PDF)

申し込み

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