ハンズオン講習会

2018 年 10 月 13 日 (土) - 19 日 (日) の両日、Web×IoT メイカーズチャレンジ 2018-2019 in 札幌のハンズオン講習会がspace360にて開催された。本講習会は、Web 技術 (JavaScript、HTML) を用いて、個別の組み込みデバイス特有の開発環境の習得なしにハードウェア (センサー・) を制御する方法を学ぶこと、および電波など、IoT の基礎となる知識を身に着けることを目的とした。

当日は 23 名が参加し、主催者側から運営委員会主査である北海道大学大学院情報科学研究科 川村秀憲氏からの開会の挨拶として、ご自身の研究紹介を交えたプレゼンテーションを行い、参加者は食い入るように画面に引き込まれていた。最後に川村氏から参加者へ激励の言葉が送られた。

挨拶の後はさっそく午前の部が始まり、さくらインターネット (株) IoT推進室 川畑 裕行氏による座学講習 (IoT/電波に関する基礎知識) が始まった。講習は共通の資料に加え、講師 川畑氏の特製の資料も利用され、その中で実例も挙げられ熱のこもったものであった。普段なかなか聞くことができない、実体験に基づく話でもあるために、参加者興味深く受講をされ、活発に質問の手が挙がっていた。

講習中の技適の説明のパートでは、講師の他に、本イベント主催者である北海道総合通信局 田中智大氏も急遽壇上に上がり、参加者と質疑応答が行われる場面もあった。

お昼の休憩を挟み、午後からは NEC ソリューションイノベータ (株) 稲地 稔氏によるハンズオン講習が始まった。講師・チューターの自己紹介から始まり、電子工作の基礎知識として、ブレッドボードの仕組み・解説を最初の行い、そして CHIRIMEN for Raspberry Pi のチュートリアルを行いながら、Web GPIO API、Web I2C API の基本を学び 1 日目が終了した。

2 日目は朝から昨日に引き続き NEC ソリューションイノベータ (株) 稲地 稔氏によるハンズオン講習が行われた。2 日目は前日に学んだ技術を使った応用編で、参加者自らが資料を見ながら主体的にハンズオンを進めた。そして、ハンズオン終了後は、事務局よりチーム発表が行われ、その後 NPO 法人 NEXT DAY 北田義孝氏によるアイデアワークショップが行われた。アイデアの出し方や手法などの講義があり、その後各チームでの作品テーマ決定・具体的な検討を行い、2 日目が終了した。

ハッカソン

2018年 10 月 27 日 (土)、28 日 (日) の 2 日間にわたり、札幌コンベンションセンターにてハッカソンが開催された。「身近な社会問題を解決する」というテーマで各チームがものづくりに挑戦した。今回のハッカソンは、4 ~ 5 名からなる 5 チーム計 23 名が参加し、Raspberry Pi 3B+、センサーキット、様々な工作物などを用いて作品の制作に臨んだ。チームごとに 25,000 円を上限に作品の制作や開発にかかわる経費を主催者が負担し、各チームで必要な部材を調達するところから体験した。

ハッカソン初日は、あいにくの雨模様の中で開催された。運営事務局からのオリエンテーション終了後、各チームはただちに製作に取り掛かった。

製作が開始されると、ホワイトボードに書き出し相談している光景が見られた。しばらくすると、担当に別れてプログラミングや半田付けなどの電子工作が始まった。会場では不足した部品が容易に入手できるよう、スイッチサイエンス エイドステーションを導入し、販売を行った。

初日は 18 時に一旦終了、その後延長したいという申し出もあり、最終時間 19 時まで製作作業を進めているチームもあった。

そしてハッカソン 2 日目。オリエンテーションが終了すると、各チームさっそく製作に取り掛かった。2 日は 10 時 ~ 16 時まで作品制作、その後審査が行われた。審査委員は、NPO 法人NEXT DAY 北田氏、株式会社アートフル 代表取締役社長 船戸氏、さくらインターネット (株) 江草氏の 3 名が審査員を務められた。「ソフトウエア・ハードウエアの実装力」「アイデアの独創性・ユースケースの有用性」「無線の活用度」の 3 点を基準に審査が行われ、チーム RIOT の作品「くんくん君」が最優秀賞を受賞した。RIOT のメンバーは、2019 年3 月 8 日に東京で開催されるスマート IoT 推進フォーラム総会」に招待され、作品の展示が行われた。

審査発表の後は参加者・関係者全員が集まり記念撮影を行った。その後、本イベントを企画された総務省 国際戦略局通信規格課 岡田公孝氏の挨拶があり、続く懇親会では軽食や飲み物が用意され、参加者や審査員など本イベント参加者の交流が深められた。

参加チームおよび作品概要

Team A JOPPIN

作品名:JOPPIN

遠隔で鍵の操作などを行う扉の鍵管理システム。コルクボードでドアを作成し、サーボモーターの動きでサムターン鍵の開閉を簡易的に再現した。主な機能として、Slack のボットに命令することで鍵を遠隔で開閉できることや、管理者は開閉権限を付与・剥奪することも可能。また、リードスイッチを用いて開閉状態を監視することで、ドアの閉め忘れなどを検知できる。

Team B 電気シャットマン

作品名:検知くん

照明の使い過ぎや無駄を文字通り検知してそれを通知し、さらに自分がどれだけ電気を無駄に消費しているかをグラフに表示する作品。今回はトイレに限定して作成した。具体的な動きはトイレに人が入ってきてから出るまでの電気を使用した時間、また電気を消し忘れてトイレから出た場合は消し忘れたことを通知し、どれだけの時間電気を無駄に消費していたかをデータ化する機能を取り入れた。この機能を使えばトイレだけでなく、部屋の照明や、お風呂場など電気で照らすところすべてに取り入れることで、部屋全体あるいは施設全体での無駄な電気の消費を抑えられ、節電につながる。

Team C セン・タッグ

作品名:セン・タッグ

洗濯カゴの中にある洗濯物の量を超音波センサーで読み取り、洗濯物が溜まっていれば洗濯カゴに搭載した Raspberry Pi から溜まった量に応じて (若干おせっかいであるが) 通知が来る。溜まっている量をグラフで表示し、現在の洗濯物の溜まっている量を見やすくしてくれる。それにより、忙しい現代社会人に付きまとう、「洗濯し忘れ」を未然に防ごうというコンセプト。セン・タッグさんはかなり手厳しいが、それも彼なりのやさしさ。人類共通の課題である「洗濯」としっかり向き合える、そんな作品である。

Team D マリンレタス sp

作品名:Feeling of Security

家族の孤独死を防止する方法を考えた。トイレの使用頻度が適正であるかどうかで判定する。作品での例は 20 時間に設定し、もし使用頻度に異常がある場合は家族にメールを送信することを想定している。もちろん旅行などによる外出の際は電源を落とすことが可能。

Team E RIOT

作品名:くんくん君 【最優秀賞受賞作品】

身近な社会問題である「お風呂嫌いの子どもがよごれているのにお風呂に入らない」に対し、「子どものにおいを臭気センサーで取得し、においに応じて違う表情の動物の画像を表示することで子どもお風呂にいれる」作品を製作した。

Web×IoT メイカーズチャレンジ 2018-19 in 札幌 開催概要

日程/会場 ハンズオン講習会
ハッカソン
会議室 207
主催 総務省北海道総合通信局
Web×IoT メイカーズチャレンジ 札幌運営委員会
協力 一般社団法人北海道モバイルコンテンツ・ビジネス協議会一般社団法人北海道 IT 推進協会北海道大学大学院 情報科学研究科No Maps 実行委員会
後援 スマート IoT 推進フォーラム
運営事務局 さくらインターネット株式会社
お問い合わせ先: info-sapporo(at)wimc.sakura.ne.jp ((at) を @ に変えてお送りください)

告知チラシ (1 MB PDF)

申し込み

詳細はこちら (Connpass サイトへ移動します)