ハンズオン講習会

2017 年 11 月 18 日 (土) - 19 日 (日) の両日、Web×IoT メイカーズチャレンジ 2017 in 鳥取のハンズオン講習会が鳥取大学デザインスタジオにて開催された。本講習会は、Web 技術 (JavaScript、HTML) を用いて、個別の組み込みデバイス特有の開発環境の習得なしにハードウェア (センサー・アクチュエーター等) を制御する方法を学ぶこと、及び電波等、IoT の基礎となる知識を身に着けることを目的とした。また、11 月 19 日 (日) には、鳥取大学 EDGE とのコラボ企画として「IoT を活用した鳥取地域課題解決アイデアワークショップ」も開催された。

総務省 坂平海氏

時折みぞれが降るあいにくの空模様にもかかわらず、予定を上回る 32 名が参加し、会場は熱気に包まれた。主催者側から運営委員会主査である一般社団法人 WebDINO Japan 代表理事の瀧田佐登子氏の挨拶に続き、総務省 中国総合通信局 情報通信連携推進課の坂平海氏の、「このイベントでの経験を活かし、社会でご活躍いただきたい。」との激励の言葉で講習会が始まった。

本講習会では、開発環境として CHIRIMEN for Raspberry Pi 3、モバイルモニターやキーボード等の周辺機器一式が各参加者に貸し出された。CHIRIMEN for Raspberry Pi 3 は、CHIRIMEN Open Hardware コミュニティにより開発された Raspberry Pi 3 上のWebブラウザで動作する IoT プロトタイピング環境である。「Web GPIO API」や「Web I2C API」等の API を利用することで、Web技術により Raspberry Pi 3 に接続されたセンサーやアクチュエーター等のハードウェアを制御することができる。

講習会は、バスタイムフィッシュ代表・HTML5-WEST.jp 代表の村岡正和講師による IoT の基礎知識、IoT の技術・関連法制度、及び電波の有効利用等に関する講義で始まり、CHIRIMEN for Raspberry Pi 3 を開発環境として、IoT の基本となるセンサーやアクチュエーター等を制御するプログラムを作成した。IoT を用いた開発の実例の話もあり、ハードウェアを制御するための技術面だけでなく、IoT の可能性を感じながらの講習会となった。

最後に 12 月 9 日 (土) - 10 日 (日) 開催のハッカソンに向けて、チーム分けを行った。ハンズオン講習会に平行して開催された「IoT を活用した鳥取地域課題解決アイデアワークショップ」の参加者もメンバーとして加わり、技術的なスキルを持ったエンジニアと、鳥取県の地域課題解決に対するアイデアを持った非エンジニアがチームを組み、3 週間後に行われるハッカソンに臨む。

CHIRIMEN for Raspberry Pi 3
講習会の様子

ハッカソン

2017 年 12 月 9 日 (土)、及び 10 日 (日) の 2 日間にわたり、鳥取大学コミュニティ・デザイン・ラボにてハッカソンが開催された。最優秀賞は、生後からオムツ卒業までの赤ちゃんの育児サポートを目指した Team A の作品「きよちゃん」が受賞した。

今回のハッカソンは、初日が午前 10 時から午後 7 時、2 日目は午前 10 時から午後 5 時半までという長丁場で、5 ~ 6 名からなる 7 チーム計 37 名が参加し、CHIRIMEN for Raspberry Pi 3、及びセンサーや様々な工作物等を用いて作品の制作に臨んだ。チームごとに 2 万円を上限に作品の制作や開発にかかわる経費を主催者が負担。WebDINO Japan 所有の衛星ブロードバンドインターネットに接続可能なパラボラアンテナを搭載したワークショップバス「WEB SHIP」もハッカソン会場に登場し、車内に設置された Aid station (部品販売コーナ-) では、開発に必要なセンサー類の現金販売も行われた。

12 月 10 日 (日) の午後に審査が行われた。審査委員は、神戸大学大学院 工学研究科 教授の塚本昌彦氏、公益財団法人 鳥取県産業振興機構 知的所有権センター センター長の山本明良氏、及び一般社団法人 WebDINO Japan 代表理事の瀧田佐登子氏の 3 名が務めた。アイデアの独創性、ユースケースの有用性、及び無線の活用度等を基準に審査が行われ、鳥取県の少子化問題の解決を目的とし、生後からオムツ卒業までの赤ちゃんの育児サポートを目指した Team A の作品「きよちゃん」が最優秀賞を受賞した。

Team A の作品は、生後からオムツの卒業までの育児を総合的にサポートすることを目的としたもので、各種センサーから収集したデータを Bluetooth や Wi-Fi を用いて集約することで赤ちゃんの状況を把握し、必要な対応を自動で行ったり、警告をタブレット等に送信したりすることができる。具体的には、排泄やうつ伏せ状態を検知し、オムツ交換や消臭剤の発憤、及び抱き起し等の対応を促すためにスマートフォンやタブレットで警告音を鳴らす機能。鳴き声を検知すると、赤ちゃんを落ち着かせるための音楽が自動で流れる機能。部屋の照度を調節することで赤ちゃんの活動リズムを整える機能。体温を継続的に測定・記録して体調を把握する機能等を備えている。機械学習により赤ちゃんの泣き声を認識する機能も備えるなど、新規性や作品の完成度を含めた総合力が評価されての受賞となった。Team A のメンバーは、3 月 9 日に東京で開催予定の「スマート IoT 推進フォーラム総会」に招待され、作品の展示が行われる。

最優秀賞を受賞した Team A のメンバー
総務省 岡田公孝氏

他の 6 チームの作品も技術レベルの高いものが多く、審査委員は、どのチームの作品も完成度が高く、鳥取の地域課題に絡めたユニークな作品もあり楽しませてもらった、と述べていた。

懇親会では大量のピザや飲み物が用意され、参加者同士の交流を深めた。講習会で講師を務めた村岡正和氏からは、本イベント期間中にこっそり (?) と開発を進め、ハッカソン当日に完成させたディープラーニングを用いたシステムも披露され、会場は大いに盛り上がった。最後は総務省 国際戦略局 通信規格課の岡田公孝氏の、「今後もこの事業を継続したい。将来は皆さんがチューターとなり、この事業を運営する側となってほしい。作品のブラッシュアップやコラボなど、今後も活動を続けてほしい。」との言葉で、4 日間にわたり開催された「Web×IoT メイカーズチャレンジ 2017 in 鳥取」の全日程が終了した。

各参加チームと作品の紹介

最後に、全 7 チーム (Team A ~ Team G) の作品の概要を紹介する。

Team A きよちゃん

作品名:「きよちゃん」

最優秀賞受賞作品。生後からオムツ卒業までの赤ちゃんの育児をサポートするシステム。Bluetooth、Wi-Fi、Web GPIO API、Web I2C API、Firebase 等の技術を使用した。

Team B b6

作品名:「新感線」

鳥取県の新しいブランド梨「新甘泉」を監視・観測するシステム。列車に見立てた装置が梨の木を支えるワイヤーを移動しながらデータを収集する。収集したデータは、Google スプレッドシートを用いてリアルタイムでグラフ化される。

Team C 配線いっぱい

作品名:SSA (Small Smart Agriculture)

箱の中に入れた植物を継時的にセンシングし、その情報をもとに適切な管理を促すシステム。Wi-Fi を用いた携帯との連携、Web GPIO API、Web I2C API、WebSocket 等の技術を使用した。

Team D Fine D

作品名:「Fine Day」

冬場、雨や雪が多い鳥取で気分が沈んだときに人を楽しませることを目的とした作品。センサーを用いて気温等のデータを収集し、必要に応じて人を楽しませるためのギミックが作動する。

Team E トリプロ

作品名:「慰めマリリン」

携帯電話の充電器に、バイブレーションを感知する機能を実装。一定時間通知がない場合に慰めの言葉をかける機能や、AWS 等を利用し、友人に連絡を催促する機能の実装を目指した。

Team F レペゼン鳥取

作品名:「真実の薬箱」

鳥取県が抱える問題である高齢化社会に着目。「真実の口」をイメージした外装で、高齢者の薬の飲みすぎを抑制する機能を実装。センサーにより薬を取り出したことをメールで知らせる機能も備える。

Team G 片山聡生と愉快な仲間たち

作品名:「IoP ~Internet of Pole~」

物干し竿に、洗濯物の状態の変化をセンシングする機能を実装。乾いた洗濯物は自動で取り込み、LINE への通知も行う。

Web×IoT メイカーズチャレンジ 2017 in 鳥取 開催概要

日程

ハンズオン講習会・アイデアワークショップ

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ハッカソン

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会場 各日とも 鳥取大学鳥取キャンパス
主催 Web×IoT メイカーズチャレンジ 2017 実行委員会 鳥取運営委員会
※ 本イベントは総務省「IoT 機器等の電波利用システムの適正利用のための ICT 人材育成事業」として実施しています。
協力 鳥取県鳥取大学公立鳥取環境大学米子工業高等専門学校KDDI 株式会社CHIRIMEN Open Hardware
後援 スマート IoT 推進フォーラム
運営事務局 一般社団法人 WebDINO Japan
お問い合わせ先: info-webiot-tottori@webdino.org

告知チラシ (1.1 MB PDF)

申し込み

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