Web×IoT メイカーズチャレンジ 2017 in 沖縄 開催報告
2018 年 1 月 13 日 (土) – 14 日 (日) に体験型講習会 (座学講座+体験講座)、2 月 24 日 (土) – 25 日 (日) にハッカソンと、計 4 日間の日程で、沖縄県名護市・沖縄市にて「Web×IoTメイカーズチャレンジ 2017 in 沖縄」が開催された。ハッカソンイベントの今回のテーマは、沖縄県東村のリアルな地域課題。最優秀賞に選ばれたのは、不気味さとアクションパターンを持ち合わせたカカシを制作したチーム G:GRAVITY の作品「愛しのエリー」。Web×IoT メイカーズチャレンジ 2017 は終了となるが、フィールドでの実験を地域と取り組む予定だ。
ハッカソン表彰作品
最優秀賞
Team G
愛しのエリー
(グッドで) 賞
以下の 3 作品に (グッドで) 賞が授与された。
Team A
畑 まもるくん
Team C
すごいカカシ
Team F
イノシシを検知するよ!!
イベントの様子
座学・体験講座
募集開始 3 日目で募集人数オーバーとなった今回、小・中学生から文系大学生、理系大学生、高専、職業能力開発大学校、一般と若年層の幅広い年代が参加。2018 年 1 月 13 日 (土) – 14 日 (日)、年明け早々に開催した座学・体験講座は、参加者・講師・チューターが基礎となる座学、モノづくりに熱中した。
若年者の幅広い年代が参加とあって鈴木邦治講師の分かりやすいオリジナルテキストが大好評だ。2 日目後半は、ハッカソンイベントの課題を発表し、ハッカソンイベント開催までチームで思考する期間を設けた。
ハッカソン
前回の講座から 6 週間後に開催したハッカソンイベントは、9 チームがエントリー、当日 1 チーム欠席の 8 チームでの開催となった。1 チームの構成人数は、2 名から 5 名。「Arduino を使って、講習で学んだ技術を用いネットワークサービスの連携もしくはネットワークからのコントロール可能な作品であること」を作品の条件としている。また、ハッカソンイベントのテーマは、沖縄県本島の北部にある東村から“リアルな地域課題”を提供して頂いた。
8 チームが“鳥獣被害”をテーマとして作品製作を行った結果、琉球大学生 5 名で構成されたチーム G:GRAVITY の作品「愛しのエリー」が最優秀賞を受賞。沖縄高専の作品と技術力、企画等々捨てがたく混戦したが、最終的にテーマに合致しているチーム G は、3 月 9 日に東京で開催された「スマート IoT 推進フォーラム総会」に招待され、作品の展示を行った。
審査員は、伊集盛久氏 (東村長)、久恒達宏氏 (沖縄総合通信事務局所長)、谷合誠氏 (沖縄県商工労働部情報産業振興課IT戦略センター準備室長)、比屋根隆氏 (公益社団法人沖縄県情報産業協会 / (株) レキサス代表取締役社長)、安慶名智人氏 (特定非営利活動法人フロム沖縄推進機構) の 5 名が務めた。
Spacial Thanks
ハッカソン 2 日間をサポートするため、会場では (地方開催の強い味方) スイッチサイエンス社のエイドステーション協力により、物品販売を行った。
各参加チームと作品の紹介
Team A KNS
作品名:畑 まもるくん【グッドで賞 受賞作品】
畑を監視して鳥獣を畑から追い払うシステム。畑に鳥獣が侵入すると、レーダーセンターで検出してメールでお知らせする。また、メールを確認後、メールに貼られている URL を開くことで、畑の状態を確認し、IP カメラで畑を確認しながら鳥獣を追い払うことができる。PC、スマートフォン、タブレット、AI スピーカーなどの様々な情報端末で、操作することができ、鳥獣を検出したデータをクラウドに保存することにより、過去のデータを確認することが可能。
Team B Penguino (ペングイーノ)
作品名:お手軽カラス撃退装置 (増えるよ)
東村の農作物を救え! 赤外線センサーでカラスを感知し、LED レーザーとネコ科の鳴き声で追い払う。同じ LAN 内でいくらでも増設ができ、広大な畑もカバーできる! Wi-Fi モジュールと Arduino UNO および各センサー、出力を 1 セットとし、同じ Wi-Fi の下、ひとつのサーバーで複数のセットをアクセス、制御するため、広大な東村の畑に複数設置し、隅々までカバーし、作物をカラスから守ることができる。流す音声の種類、長さはプログラムを書き直せば調整可能。
Team C チーム名なし
作品名:すごいカカシ【グッドで賞 受賞作品】
環境センシングとカラスやイノシシの撃退の二役の機能を備えたかかし。温度、気圧、光量、水の環境センシングでデータを蓄積し、統計的に病気等の作物の状態を予測する。また、何かが接近すると、ブザーと LED ライトで威嚇し作物を動物の被害から守る。ブザーの音色を変えることで慣れを防止する工夫も施されている。見ているとだんだん愛着が湧き、着せ替えも可能な作品。
Team E Rubbish
作品名:HateSound
対象が近づいた時、サーバー側で保存している音を流して追い払う。また襲撃があった時に、その時間と対象との距離を取得して表示し、どの時間帯に襲撃があるかユーザーが把握することができるシステム。当初目指していたのは、あらゆるパターンの音楽をサーバー側で Web から取得して襲撃があった時に流し、音楽ごとに追い払えたかどうかを把握、効果のあった音楽を次の襲撃に流し、音で完全に追い払う態勢の構築だった。また、時間帯や気候といったより詳しい襲撃の状況のデータを集めることで、次に襲撃のある時を予測し、人員の配置を Web から行えることも目指していた。
Team F wml
作品名:イノシシを検知するよ!!【グッドで賞 受賞作品】
センサーでイノシシを検知すると、カメラで写真を撮影し、住所と写真を添付して Twitter でツイートする作品。Twitter を利用することで農業関係者以外の行政関係者や一般の人にも注意をうながすことができる。Arduino が置くことができればネットでなくても柵などがあれば設置できる。
Team G GRAVITY
作品名:愛しのエリー【最優秀賞 受賞作品】
センサーがイノシシを検知するとエリーちゃん (カカシ) に信号を送る。信号を受け取ったエリーちゃんは突然起き上がり、音を鳴らし回転することでイノシシたちを怖がらせ、追い払う。イノシシを検知した記録は、Web ページでも確認ができる。普通のカカシではイノシシにはお見通しになってしまうため、3 つのアクションをつけることで不気味さを演出。突如起き上がり、音を鳴らしながら回転した後は、しばらくそのまま静止して予測できないタイミングで倒れるようになっていることが普通のカカシにはない IoT ならではのポイント。
Team H チーム名なし
作品名:ボアキラーP
センサーに反応すると、自動的にスプレーを発射する装置。リアルタイムでサーバー通信する点やスプレーのコストパフォーマンスがアピールポイントの作品。
Team I ぽちこちゃん
作品名:バーチャルのいのしし YouTuber
畑に害獣が来たのを超音波センサーで判別し、動画撮影し、YouTube にアップロード。時間、摩擦など収集したデータは、自作 Web サーバーにアップロードし、スマートフォンのブラウザーアプリなど、Web からの情報閲覧を可能にした。出現位置などの情報から生息位置の割り出しを目指した。
メディア掲載情報
メイカーズチャレンジ 2017 in 沖縄」(2018 年 2 月 25 日のニュース番組)
琉球朝日放送 Q プラス「Web×IoT メイカーズチャレンジ 2017 in 沖縄 開催概要
日程 |
ハンズオン講習会: – |
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ハッカソン: – |
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会場 | ハンズオン講習会: 沖縄北部雇用能力開発総合センター (北部ポリテクセンター) |
ハッカソン: 沖縄職業能力開発大学佼 (沖縄ポリテクカレッジ) | |
主催 | Web×IoT メイカーズチャレンジ 2017 実行委員会 沖縄運営委員会 ※ 本イベントは総務省「IoT 機器等の電波利用システムの適正利用のための ICT 人材育成事業」として実施しています。 |
協力 | 沖縄県、東村、公益社団法人沖縄県情報産業協会、特定非営利活動法人フロム沖縄推進機構、国立大学法人琉球大学、沖縄国際大学、沖縄高等専門学校、沖縄職業能力開発大学佼 |
後援 | スマート IoT 推進フォーラム |
運営事務局 | 一般社団法人頑張る地域支援し隊、株式会社琉球新報開発 お問い合わせ先: webiot.makers.okinawa@gmail.com |